ケイシーのリーディング(神秘の世界 No.231随想より抜粋)
私が結婚したのは昭和44年で、その頃、教祖から「エドガー・ケイシーについての本を翻訳してほしい」と頼まれた。その少し前に、1年ほどアメリカに留学していた兄が持ち帰った本である。それを、少しずつ訳して「神秘の世界」に載せるというわけだ。
ケイシーは、「アメリカの20世紀最大の神秘家」と言われたりもしているのだが、目覚めているときには、オーラが視えること以外には、ごく普通の人だったようだ。しかし、暗示を受けて睡眠状態になると、質問に応じて適確に答えた。それが、まるで何かを読んでいるかのように思えたので、リーディングと名付けられた。
ケイシーは1945年に亡くなっている。当時は、なぜ、リーディングが得られるのか分からなかったようだが、要するに、ケイシーの、広義の守護神、守護霊が、睡眠状態のケイシーの肉体を借りて教えてくれたのであろう。リーディングの内容は多分野に亘っているので、守護神等も複数であったに違いない。
リーディングの内容は、治病に関することから始まったのだが、健康問題(病気の予防)から、職業的適性、結婚問題、夢の解釈、生まれ変わり(前世)、未来の問題(予言)などへと拡大していった。リーディングは、財団が作られて分野別にファイルされているので、今でも、多くの人が研究し、その成果が本になって出版されている。
私が翻訳し始めたのは、ジェス・スターン(ノンフィクションに関する著述家)の「眠る予言者」(邦題は、「超人ケイシーの秘密【ザ・エドガー・ケイシー】で、昭和52年にたま出版から刊行)である。スターンは、非常に合理的、論理的に構築していくので、訳していくにつれ、大いに惹きつけられた。それが、私が大学をやめて二代目教主に就位しようと決意する重要なきっかけの一つになった。