随想・一の宮 (3/3) 神秘の世界 No.334より
◎メッセージ
しばらく前だが、遠方のC氏から、「新年に一家で一の宮に参拝しようとして家を出たら、すぐにハンドル操作を間違えてトラブルになった。何とか一の宮へ着いて戻ってきたところ、家の近くまで来て同じようなトラブルになった」という意味の電話を受けた。氏は、あまりにもおかしいので病院に行ったところ、軽い脳梗塞になっていたらしく、すぐ入院となった。
数日で退院となったので、「病気平癒の特別祈祷をしてほしい」とのことだった。早速実施し、翌年には、本部まで自家用車で御礼に来られるほどに回復された。
このように、神社参拝当日に何か不測の事態が生じると、神様から叱られているのかと思いたくなるが、必ずしもそうとは限らない。C氏は、産土神社参拝にも熱意をもってやってきているし、不敬を働いたわけではないであろう。
むしろ、「こういうことに注意するように」という有難いメッセージと考えた方が良いというケースも多々ある。当然、コトが何であるかについてしっかり考える必要がある。
当平和教には、教祖が御神示を仰いで定めた「運生の公理(運を生じる大原則)」がある。こういう時には、そのうちの、祖霊祭祀不備、方災、地相、家相等々、どの項目が関わっているかを突きとめ、なるべく早く対応を講じるようにするとよい。
◎産土祭
「産土鎮守神は、我(われ)の生まれた土地および我の居住地の守護神である」開運講座では、土地の守り神について、パンフレットにあることを、このように読みながら、必要な説明をしている。
受講した人の多くは、居住地の産土神社にすぐに参拝するようになる。しかし、生地が近い場合はともかく、遠方の場合、生地の神社にすぐには行けない。そのうちにと考えていながら、さっぱり行ってないという人もあるかもしれない。
私の生地は、東京都杉並区である。武蔵国(むさしのくに)なので、その一の宮は、さいたま市大宮の氷川(ひかわ)神社である。主神は、素戔嗚之尊(すさのうのみこと)で、当教奉斎神の一柱(ひとはしら)である。で、関東にしょっ中出張していた頃は、毎年のように参拝していた。しかし、杉並区にある神社は、探すこともしていなかった。
あるとき、購読している週刊誌にその神社のことが載り、それを読んだ実母が、「七五三の神社だ」と。これもお手配なのであろうと解し、それからは、なかなか毎年とはいかないが、出来る限り年に一回は参拝するようにしている。
厳密にいうと、転勤などが多い場合、それぞれの居住地の産土神にお世話になっているはずである。私の場合は転校も多く、小学校中学校だけで十一回もしている。その他の移転もかなりある。そのそれぞれの産土神社(いわゆる氏神さん)に御礼の参拝といっても、全く難しい。
そういう事情等を考慮し、当教本部では、毎月「産土祭(うぶすなさい)」を斎行している。別行事のある一月三月以外、毎月二日に斎行している。ウイークデイのときもあるので、参加者はそれほど多くない。しかし、産土さんへの御礼感謝が不十分というケースは、かなりあるのではないかと考えている。
この祭典は、産土神への感謝と共に、御礼感謝不十分へのお詫びを謝する祭典になっている。
平和教本部教会の行事は多いので、あれもこれもとはいかないであろう。どれか一つというのなら、月例祭を奨めている。しかし、この産土祭も、ときには、努力して参加し、産土神との関係を一層良好にしてほしいと願っている。(おわり)